FerはFerと類似のFesとともに、非受容体型チロシンキナーゼ群の中ではユニークなマルチドメイン構造をもつ。Ferはさまざまな組織・細胞でユビキタスに発現しており、上皮成長因子受容体(EGFR)や血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)など増殖因子受容体からのシグナル伝達によって活性化され、細胞のがん化やがん悪性化に深く関わる。本研究では、Ferの活性化機構の構造基盤を解き明かすことを目的とした構造生物学研究に取り組み、Ferの一部のドメインとリガンド分子の複合体について高分解能構造解析に成功した。
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