ミトコンドリアにのみ限定して存在するカルジオリピンはミトコンドリア形態といよりもむしろカスパーゼ8活性化の足場として機能すること、チトクロムCの内膜への係留に重要であることが示唆された。またアポトーシス誘導時に見られるミトコンドリア分裂にはミトコンドリア内のタンパク質性因子が関与することが示唆された。分裂には当然、Drp1およびその受容体群が必要ではあるが、おそらくミトコンドリア内因子と協調してアポトーシス誘導時にミトコンドリア分裂を促進するのであろう。現在、このミトコンドリア内因子の同定作業を進めており、アポトーシスにおけるミトコンドリア分裂の生理的意義が解明できるものと期待している。
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