熱や乾燥に強い芽胞の形成により滅菌が難しい枯草菌は食品腐敗の原因となり増殖制御が課題となっている。本研究では枯草菌の一般ストレス応答を司る蛋白質群のシグナル伝達機構を構造生物学とX線結晶学により解明を進めた。栄養ストレス系蛋白質間RsbQ/Pのシグナル伝達は未知分子の関与を示唆していたが、構造解析によりその蛋白質結合構造の解明ができた。下流のRsbPは複雑な構造を持ち、分子内部のシグナル伝達による活性化が示唆されたが、部分構造解析と溶液散乱により全体の分子モデルが構築できた。その他この系に関わる蛋白質群の構造解析も合わせて進め、特に上流部に関わる蛋白質について一部結晶が得られた。
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