研究課題/領域番号 |
16K07295
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
木村 行宏 神戸大学, 農学研究科, 准教授 (20321755)
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研究協力者 |
大友 征宇
秋本 誠志
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 光合成細菌 / 光捕集タンパク質 / uphill型エネルギー移動 / カルシウム / 赤外分光法 / ラマン分光法 / 超高速分光法 / 熱量分析 |
研究成果の概要 |
好熱性紅色光合成細菌Thermochromatium(Tch.) tepidumは、光捕集1アンテナ複合体が吸収した低エネルキーの近赤外光をエネルギーの高い反応中心に伝達(uphillエネルキー移動)して、光合成を行うことが可能であり、この現象にはCa2+が密接に関与していると考えられる。本研究の結果から、Ca2+が電子伝達に関わるCサブユニットとRCをつなぐバインダーの役割を担っており、RCのエネルギーを低下させることにより、低エネルギーの光捕集1アンテナ複合体から高い反応中心へと円滑にエネルギーを伝わる役割をしていることが強く示唆された。
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自由記述の分野 |
生物物理学 光生物
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近赤外光は地球に降り注ぐ太陽光の約4割を占める未利用のエネルギー資源である。水は低きに流れるが、紅色光合成細菌は低エネルギーの近赤外光をより高いエネルギーに変換(uphillエネルギー移動)して有効なエネルギー源をつくり出している。本研究では、紅色細菌の中でもより低い近赤外光を利用可能な菌に着目し、この種がCaを利用して色素分子の配向状態を制御し、低エネルギー吸収を可能にしていること、およびuphillエネルギーギャップを小さくしていることを明らかにした。本研究で得られた知見は、学術的な意義も大きいが、近赤外光応答型人工光合成による新しいエネルギー資源の創出へとつながる可能性を秘めている。
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