tRNAはタンパク質合成においてコドンとアミノ酸を結び付ける要であり、転写後に化学修飾を受け機能する。tRNAの硫黄修飾塩基 (2-チオウリジン) はコドン認識や構造安定化に必須である。これらの硫黄修飾塩基の生合成機構の解明を行った。 好熱菌tRNAのs2T54硫黄修飾塩基の生合成に関与する、新規ペアスルフィド結合タンパク質TtuDを同定し、反応性の高い硫黄原子を硫黄化酵素に確実に伝達する機構を明らかにした。またRNA硫黄化酵素TtuAや新規酵素について、無酸素下で分光学・生化学・立体構造解析等を行い (共同研究)、酸素感受性の鉄硫黄クラスターが関与するRNAの新規硫黄転移機構を解明した。
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