本研究では、(1) 温度補正を取り入れ,標準温度(25℃)におけるフォールディング速度定数をまとめたデータベースを構築し,インターネット上に公開した。(2) フォールディング反応の遷移状態における構造形成度を表すΦ値と蛋白質の構造的特性との間の相関解析を行なった。α型蛋白質16種の343箇所におけるΦ値を調べ,構造特性と遷移状態における臨界構造との関係を明らかにした。(3)フォールディング速度定数とさまざまな構造特性との間の関係について調べた学術文献を調査し,見かけ上異なって見える,二状態と非二状態フォールディング反応が,本質的に同一の物理原理に従っていることを明らかにした。
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