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2019 年度 実績報告書

既知フォールドの再配線による新規フォールド予測法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K07315
研究機関名古屋大学

研究代表者

千見寺 浄慈  名古屋大学, 工学研究科, 助教 (10420366)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードタンパク質 / 立体構造予測
研究実績の概要

既知のタンパク質構造を再配線することによって新規フォールド構造を作成する際、再配線した構造が物理的に可能な構造なのか否かを判定する必要がある。昨年度までで平行βシートからなるフォールドに関して、物理的に好ましいものとそうでないものを判別する基準を完成させる事ができた。
本年度はこれまでに得られた見地を生かして、対象とするフォールドを、反平行βシートおよび平行と反平行βシートが混合したフォールドまで拡張した。これらを実現する上で重要なファクターは、α-βループとβ-αループ、およびψループの構造選択性が大きく異なっていることを発見したことであった。この構造選択性の違いは、まずはデータベース解析によって発見し、次いで物理シミュレーションによってその構造選択性が進化によるサンプリングバイアスではなく、物理法則によって決定されていることを確かめた。さらに、これらの構造選択性とアミノ酸配列の関係も部分的に明らかにする事ができ、物理的な観点からのタンパク質の構造と配列の関係の解明に向けて重要な見地が得られた。
これらの成果を統合して、βシートタンパク質に対して、既知構造の再配線によって新規フォールド構造を生成し、物理的に不可能なものを除去する事ができるフィルターを作成することができた。また、成果の副産物として、「タンパク質のフォールドは約1000種類に限られている」と言う仮説が広く受け入れられているが、これに対して物理的な観点から説明を与える事ができた。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] A prospective compound screening contest identified broader inhibitors for Sirtuin 12019

    • 著者名/発表者名
      Shuntaro Chiba, Masahito Ohue, ..., George Chikenji, et al.
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 9 ページ: 19585

    • DOI

      10.1038/s41598-019-55069-y

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] ラマチャンドランプロットの再分類による未知のタンパク質構造の探索2020

    • 著者名/発表者名
      村田裕斗, 千見寺浄慈
    • 学会等名
      日本物理学会第75回年次大会
  • [学会発表] 経験ベイズ推定による格子タンパク質模型のデザイン2020

    • 著者名/発表者名
      高橋智栄, 千見寺浄慈, 時田恵一郎
    • 学会等名
      日本物理学会第75回年次大会
  • [学会発表] 物理的にデザイン可能なタンパク質フォールドの条件:立体構造データベース解析による知識抽出2019

    • 著者名/発表者名
      千見寺 浄慈
    • 学会等名
      第19回日本蛋白質科学会年会
    • 招待講演
  • [学会発表] 立体構造データベース中でのψループモチーフの出現頻度の偏りの物理的要因2019

    • 著者名/発表者名
      福田 孝貴、 千見寺 浄慈
    • 学会等名
      第19回日本蛋白質科学会年会
  • [学会発表] 機械学習を用いたタンパク質主鎖構造における2 面角の再分類2019

    • 著者名/発表者名
      村田 裕斗、 千見寺 浄慈
    • 学会等名
      第19回日本蛋白質科学会年会
  • [学会発表] フェレドキシン構造とそのリバース構造のタンパク質デザイナビリティの決定因子2019

    • 著者名/発表者名
      中島 恵、 千見寺 浄慈
    • 学会等名
      第19回日本蛋白質科学会年会
  • [学会発表] Relationship between loop geometry and register shift in parallel beta-sheet proteins2019

    • 著者名/発表者名
      R. Ueda, G. Chikenji
    • 学会等名
      第57回日本生物物理学会年会
  • [学会発表] Reclassification of dihedral angles in protein backbone structures using machine learning2019

    • 著者名/発表者名
      H. Murata, G. Chikenji
    • 学会等名
      第57回日本生物物理学会年会
  • [学会発表] Asymmetry of psi-loop motifs2019

    • 著者名/発表者名
      K. Fukuda, G. Chikenji
    • 学会等名
      第57回日本生物物理学会年会
  • [学会発表] Exploration of novel alpha-beta protein folds by de novo design2019

    • 著者名/発表者名
      S. Minami, R. Koga, G. Chikenji, T. Sugiki, N. Kobayashi
    • 学会等名
      第57回日本生物物理学会年会

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公開日: 2021-01-27  

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