イカロドプシンのメタ状態は1か月以上にわたりpH依存的可逆的な吸光変化を維持することから、その活性化構造を保持していることが示唆された。この試料を用いて結晶化を行い、酸性型メタ状態が100%形成される条件下で新規に六方晶を得ることができた。この結晶を用いて構造解析を行い、3.7A 分解能で構造を決定した。 酸性型メタ状態の全体構造は、暗順応状態の構造とほぼ同じ、ヘリックスが閉じた構造であった。活性部位では、全トランス型レチナールがβイオノン環を約60°回転させ、リング平面をポリエン鎖平面と平行に向けていた。その構造変化によって、周囲の残基の芳香族環が押され活性部位内の空隙がやや広がっていた。
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