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2019 年度 研究成果報告書

働く最中のヘモグロビン分子内動態の原子レベル追跡

研究課題

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研究課題/領域番号 16K07326
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 生物物理学
研究機関自治医科大学

研究代表者

柴山 修哉  自治医科大学, 医学部, 教授 (20196439)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードヘモグロビン / ダイナミクス / X線結晶構造解析 / 光解離 / アロステリー
研究成果の概要

ヘモグロビンは血液中の酸素運搬蛋白質であり、肺で受け取った酸素を全身の細胞に届ける役割を担っている。ヘモグロビンは、世界で初めて原子レベルの立体構造が決定された蛋白質の一つとして有名であるが、酸素などのガス分子がその結合部位であるヘム鉄から外部溶液へ出ていくまでの道筋やそれを後押しする蛋白質の動きは今まで知られていない。今回我々は、独自のヘモグロビン調製・結晶化技術と低温X線結晶解析法およびレーザー光解離法を組み合わせて、ヒトのヘモグロビンから切り離された後のガス分子の動きとそれを後押しする蛋白質の動きを原子レベルで追跡することに世界で初めて成功した。

自由記述の分野

生物物理学

研究成果の学術的意義や社会的意義

ヒト・ヘモグロビンはアロステリック蛋白質の代表格として教科書にも載っており、そのガス配位子結合調節能はよく研究されている。しかし、酸素などのガス分子の通る道筋は結晶構造に見当たらず、ガス分子が蛋白質分子のどこをどのように移動していくのかは謎のままだ。今回の研究成果は、赤血球中のヘモグロビンが酸素を迅速に受け渡しする仕組みの理解につながると期待される。特に、ヘモグロビンが酸素濃度の低い末梢組織にやってきたとき、T状態特有のタンパク質分子内運動を使って酸素を迅速かつ巧妙に外部へ送り出すことを実験的に明らかにした。この発見は、生理学的にも、生物物理学的にも極めて重要な意味がある。

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公開日: 2021-02-19  

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