本研究では海産無脊椎生物精子を材料に独自性の高い運動解析・イメージング技術とプロテオミクス技術を融合することにより、真核生物共通の鞭毛繊毛運動制御に重要な新規調節因子の解析とその機能解明を目指した。成果として以下が得られた。(1)カルシウム依存的な鞭毛波形変化に対応する精子軸糸タンパク質を複数同定した。(2)調節因子の機能解析のための実験・解析系の構築および改良を行った。(3)ケージド化合物を用いた実験により調節因子であるcAMPが軸糸タンパク質のリン酸化を介してカルシウム依存的な波形調節に関与していることがわかった。
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