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2016 年度 実施状況報告書

糸球体濾過障壁の恒常性維持におけるGpr116受容体の作用機構

研究課題

研究課題/領域番号 16K07344
研究機関東京工業大学

研究代表者

中村 信大  東京工業大学, 生命理工学院, 准教授 (80361765)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード受容体 / 糸球体 / 血管内皮 / ノックアウトマウス
研究実績の概要

腎糸球体の毛細血管壁には,尿生成の第一段階である血液濾過を担うバリアー(濾過障壁)が備わっており,その構造異常は腎疾患を誘発することが知られている。しかしながら,濾過障壁がどのようにして形成・維持されているかは不明点が多い。これまでのGpr116受容体の欠損マウスの解析から,Gpr116が濾過障壁を構成する血管内皮細胞の形態形成や基底膜構成分子の発現制御に関与することを見出した。本研究の目的は,糸球体毛細血管内皮細胞におけるGpr116の作用機構を解明し,濾過障壁の恒常性維持とその破綻による病態発症のプロセスを説明できるようにすることである。平成28年度では,糸球体におけるGpr116の発現局在とシグナル伝達の解析およびGpr116欠損マウスの表現型解析を行った。免疫組織染色および免疫電顕解析によってGpr116が糸球体血管内皮における局在部位を特定することに成功した。また,単離した糸球体血管内皮細胞を用いたマイクロアレイ解析によってGpr116欠損で発現変動する遺伝子候補を網羅的に同定し,濾過障壁の維持との関係が示唆される遺伝子が多く含まれていることが見出された。また,透過型および走査型電子顕微鏡観察によって,Gpr116欠損マウスの糸球体血管内皮細胞の形態異常の詳細を明らかにすることができた。Gpr116の発現部位や下流遺伝子を明らかにすることができ,リガンド候補や濾過障壁の異常に至る分子機序の解明へのヒントが得られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画していた通り,①糸球体血管内皮細胞におけるGpr116の細胞内局在の決定,②濾過障壁構成分子の発現解析,③Gpr116の下流遺伝子の網羅的同定について一定の成果が得られたため。

今後の研究の推進方策

当初の計画通り,Gpr116欠損マウスで発現変動する遺伝子の情報を基に,細胞内シグナリング経路の特定や濾過障壁異常にいたるプロセスの解明に向けた解析を行っていく予定である。また,Gpr116のリガンド探索も進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

当該年度の研究の遂行にあたり,当初想定していたよりも少ない実験回数で必要なデータが得られたため,その分の消耗品購入費を使用しなかったため。

次年度使用額の使用計画

次年度では,計画通りGpr116のリガンドや細胞内シグナル伝達経路の特定を目指す。そのため,当該年度の未使用助成金と併せて,新たに必要になった機器(細胞培養装置)の購入に充てる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] USP19-mediated deubiquitination facilitates the stabilization of HRD1 ubiquitin ligase.2016

    • 著者名/発表者名
      Harada K, Kato M, Nakamura N
    • 雑誌名

      Int. J. Mol. Sci.

      巻: 17 ページ: 1829

    • DOI

      10.3390/ijms17111829

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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