細胞は常に外界の物理的・化学的ストレスにさらされており,細胞膜の損傷がしばしば起こるが,細胞には損傷を修復する機構が存在する。また,細胞外の物質を人為的に細胞内に導入するエレクトロポレーションなどの方法は,この修復機構に依存している。本研究では,細胞膜だけにピンポイントで穴をあけるレーザーポレーション法を新規開発し,この方法を用いて細胞膜に穿孔損傷を与え,形成された穴の開閉の過程を初めて可視化した。さらに修復過程に形成される修復装置とシグナル制御機構の一部を明らかにした。これらの研究成果は,基礎研究だけでなく,膜修復に関連する疾病の治療に役立つと考えられる。
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