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2018 年度 実績報告書

両生類における単精受精機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K07373
研究機関山口大学

研究代表者

岩尾 康宏  山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (10144916)

研究分担者 上野 秀一  山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (80363092)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード受精 / 両生類 / 多精拒否
研究実績の概要

受精は有性生殖に必須の機構であり、その成立には卵と精子の特異的な融合が必要である。本研究では、脊椎動物における雌雄の核による2倍体ゲノムでの「単精発生を保証する分子機構」のしくみについて両生類を中心に解明をおこなった。単精受精のカエル卵における「電気的多精拒否」の分子機構の解明を目指して研究を進めた。MMP-2 (HPX)/GM1の結合が受精成立に必須であることを証明するため、MMP-2遺伝子を欠失した雄からの精子での受精能と電位感受性を明らかにする実験をおこなった。ネッタイツメガエル(Xenopus tropicalis) の受精時の電位感受性を明らかにし、MMP-2のHPX部分の遺伝子配列を特異的に欠損させたカエルを作出した。これまでに、ホモ個体をF3までのホモ変異個体を多数作出することができ、精子形成と受精能および電位感受性について解析をおこなった。野生型卵との受精時の電位依存性の変化、多精受精の有無を詳細に解析した。また、生理的多精受精のイモリ卵における「細胞質内多精拒否」の分子機構を明らかにするため、雌雄前核の選択的な移動にはキネシンEg5が必要性を明らかにし、そのしくみを詳細に検討した。さらに、多精受精のイモリ受精卵において、精子ミトコンドリアと余分な付属精子核における核と中心体分解におけるユビキチン-プロテアソーム系とオートファジー-リソーム系の役割を検討した。ユビキチン化タンパク質の分布、オートファゴソーム(LC3)とリソソーム(LAMP1)の分布の観察から、精子ミトコンドリアの分解と付属精子核の退化にはユビキチン化と特異的なオートファジー誘導機構が関わる可能性が明らかとなった。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The electrical block to polyspermy induced by an intracellular Ca2+ increase at fertilization of the clawed frogs, Xenopus laevis and Xenopus tropicalis.2019

    • 著者名/発表者名
      M. Watabe, K. Izaki, S. Fujino, M. Maruyama, C. Kojima, A. Hiraiwa, S. Ueno, Y. Iwao
    • 雑誌名

      Molecular Reproduction & Development

      巻: 86 ページ: 387-403

    • DOI

      10.1002/mrd.23115

    • 査読あり
  • [学会発表] イモリ生理的多精における細胞内多精防止2018

    • 著者名/発表者名
      藤本 純佳、角田 明日香、渡辺 安理沙、岩尾 康宏
    • 学会等名
      第41回日本分子生物学会年会
  • [学会発表] ネッタイツメガエルにおけるMMP-2 HPXの受精での役割2018

    • 著者名/発表者名
      平岩 梓、渡部 茉美、上野 智代、上野 秀一、中島 圭介、矢尾板 芳郎、岩尾 康宏
    • 学会等名
      第41回日本分子生物学会年会
  • [学会発表] ツメガエルの卵賦活と電気的多精拒否における精子MMP- HPXの役割2018

    • 著者名/発表者名
      渡部 茉美、平岩 梓、上野 秀一、上野 智代、中島 圭介、矢尾板 芳郎、岩尾 康宏
    • 学会等名
      第41回日本分子生物学会年会
  • [学会発表] ネッタイツメガエルにおけるMMP-2 HPX の欠失個体の作成と受精での役割2018

    • 著者名/発表者名
      平岩梓,渡部茉美,上野秀一,上野智代,中島圭介,矢尾板芳郎,岩尾康宏
    • 学会等名
      日本動物学会第89回大会
  • [学会発表] イモリ生理的多精での細胞内多精防止におけるユビキチン化の役割2018

    • 著者名/発表者名
      藤本純佳,角田明日香,渡辺安理沙,岩尾康宏
    • 学会等名
      日本動物学会第89回大会
  • [学会発表] ツメガエルMMP-2 HPX 欠失精子の受精時の卵賦活と電気的多精拒否2018

    • 著者名/発表者名
      渡部茉美,平岩梓,上野秀一,上野智代,中島圭介,矢尾板芳郎,岩尾康宏
    • 学会等名
      日本動物学会第89回大会
  • [図書] 動物学の百科事典 (公益社団法人日本動物学会 編集)、「単精受精と多精受精」2018

    • 著者名/発表者名
      岩尾康宏(共著)
    • 総ページ数
      800
    • 出版者
      丸善出版
  • [図書] Reproductive and Developmental Strategies. Diversity and Commonality in Animals), Chapter 24, "Universality and Diversity of a Fast, Electrical Block to Polyspermy During Fertilization in Animals"2018

    • 著者名/発表者名
      Y. Iwao and K. Izaki (共著)
    • 総ページ数
      789
    • 出版者
      Springer Japan
  • [備考]

    • URL

      http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~suenoscb/index.html

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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