アブラナ科植物のRorippa aquaticaは、ちぎれた葉の根元側(基部側)の断面から不定芽を形成して無性的に繁殖している。本研究では、この植物をモデルとして、栄養繁殖のメカニズムを明らかにすることを目的とした。まず、発生学的な解析により、葉の切断後、1日程度で基部側の維管束近傍の細胞分裂が活性化し、de novoな器官形成によって再生していることが明らかにした。また、経時的なトランスクリプトーム解析や生理学的解析の結果から、葉の切断後に極性輸送で基部側にオーキシンが輸送されて蓄積することが再生を誘導していることがわかった。また、シュートの再生にはサイトカイニンが重要な役割を果たしていた。
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