本研究で代表者はフタホシコオロギの長期記憶形成過程におけるメラトニンの作用機序および加齢性記憶障害に対するメラトニンによる改善効果について調べた。その結果、長期記憶の形成機構においてメラトニンの脳内代謝産物であるAMKが重要であること、またメラトニン/AMK系は、長期記憶の形成過程においてすでに報告されているNO-cGMP系の下流で働いていることが示唆された。また、コオロギの長期記憶形成能には昼期よりも暗期の方が高くなるという日内変動があり、それにはメラトニン/AMK系が関与していることがわかった。また、AMKには加齢性記憶障害の改善効果があることも見出した。
|