研究実績の概要 |
これまでの解析から、血球系細胞分化過程における6種類のヒストン修飾(H3K4me1, H3K4me3, H3K9me3, H3K27ac, H3K27me3, H3K36me3)の変遷過程が推定されたので、これらのヒストン修飾のデータを統合し、細胞分化過程との関連性を検証した。例えば、active histone markとして知られるH3K4me3とH3K27acの修飾や、ES・iPS細胞にみられるbivalent histone markとして知られるH3K4me3とH3K27me3の修飾等が、細胞分化のどの過程で、どの遺伝子のプロモーター領域に存在するか、解析を行った。その結果、例えば、赤血球・血小板の分化過程に重要なGATA-1遺伝子について、実験的にactive histone markが示された分化過程と同様の過程で、本手法でもactive histone markが推定された。このことから、本手法により細胞分化に関連したヒストン修飾の変遷過程が推定されていることが示唆される。これらの結果をまとめ、細胞系譜の各段階について、細胞分化に関与する候補遺伝子を同定した。
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