研究成果の概要 |
雄と雌雄同体間には成長差は無いが,生残率は雄が高かった。同体の生産する精子, 雄の精子量を推定した結果, 雄精子量は同体の10倍以上であった。雄は大型になり, より大量の精子を形成していた。鰓で保育中の稚貝の遺伝解析により自家受精率を推定した。この解析結果から,自家受精だけでなく他家受精も高頻度で起きていることが解明された。雄遺伝子も同体の保育個体から検出され,卵乗っ取り仮説も証明できた。雄が維持されるためには 1)高い個体群密度, 2)雌雄同体とオスの同時放精, 3)雄による大量精子生産 4)自家受精率の低い同体集団, の条件下でないと雄の維持は困難と想定される。
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