研究課題
最終年度のため本年度の研究は,公表に向けてさまざまな課題の確定作業に重点を置いた.2017年度に整理した実質的適格名407属の再検証による確定作業と,本年度の前半~中盤では,2017年度にわずかしか進まなかった新生代の全種3,380種の適切な属への再配置の作業に集中し,予定していた計画はほぼ達成出来た.成果は以下のようにまとめることが出来る.実質的適格名407属と有効名1,643属の対応関係を1つずつ検証し,一部修正のうえ,検討メンバー全員の共通見解を得て確定させた.これに加え,これら約400属と科との対応を検証した.この検討には,ノマルスキー型微分干渉顕微鏡で判明した新事実や本研究で完成にいたった分子系統解析を積極的に取り入れた.その結果スプメラリア目22科,ナセラリア目27科,コロダリア目5科,エンタクチナリア目6科の合計60科430属とまとまった.計画が順調に進んだので,予定に入れていなかった属の生存期間の特定を行った.これには種のシノニム関係を一旦解除し,規約上有効名の3,380種を対象に共通見解の属の区分との照合を行った.その結果,実質有効名は1,860種と整理された.種のシノニム関係は本課題では取り扱わないものの,実質適格名の数は2~3割減少すると見込まれる.この再配置に基づき,属の生存期間をまとめた.本年度で,新生代の科・属・種のそれぞれの段階で整理を完遂できた.これで19世紀から170年続いた混乱に終止符を打てたと確信する.2018年12月から国際誌Geodivesitesへの投稿原稿を手分けして執筆中である.執筆上,形態について不明な点がある属については,ノマルスキー型微分干渉顕微鏡ならびに新規購入した低倍の対物レンズを駆使して,不足している情報を補っている.この一連の作業で,十数属を新たに設立する必要性が出てきた.
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すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
日本プランクトン学会報
巻: 66 ページ: 22-40
10.24763/bpsj.66.1_22
Protist
巻: - ページ: -
10.1016/j.protis.2019.02.002
Science Reports of Niigata University (Geology)
巻: 33 ページ: 41-56
https://scholar.google.com/citations?user=K1FDz5wAAAAJ&hl=ja