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2018 年度 実績報告書

ヤスデ類における種分化プロセスを通した警告色のミュラー型擬態の進化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K07482
研究機関熊本大学

研究代表者

田邊 力  熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (30372220)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード擬態 / 警告色 / ヤスデ / 寄生 / ハエ
研究実績の概要

北海道、本州、九州の20地点から得られた生きたヤスデ類と生息環境の背景オブジェクトに基づき、反射波形、ハエ寄生、分布に関するデータを取得した。ヤスデ類はDNA抽出用に99%エタノール固定した。データはほぼ揃ったことから、以下のRAD-seq、体色解析、ハエ寄生率解析を進めた。また、2016年に実施したクレイモデル実験のデータ解析も進めた。研究成果を日本生態学会大会で発表した。
(1)RAD-seq:研究対象である日本産ババヤスデ科のババヤスデ属とアマビコヤスデ属について、既知種の80%以上の種並びに3未記載種を含むヤスデサンプルについて、RAD-seqに向けたDNA抽出を行った。得られた103個体のDNAサンプルについて、研究協力者である曽田貞滋氏(京都大学)のもとで制限酵素処理を施した後、RAD-seqを業者に委託し、DNAシーケンスを取得した。
(2)体色解析:67集団のヤスデ類とその背景オブジェクトの反射波形を用いて、ヤスデが生息環境の背景に対してどれぐらい鳥に目立つかをJND解析で評価した。その結果、主要研究対象であるミドリババヤスデ種複合体においては、灰>灰とオレンジの中間色>オレンジの順に鳥に目立つとの結果が得られた。これらヤスデ類は青酸系の毒を持つことから、体色の鳥への警告機能は上記の順に強いことが示唆された。
(3)ハエ寄生率解析: 60地点から得られたミドリババヤスデ種複合体において、ハエ卵の付着有無から、灰、オレンジ、中間色間の寄生率の差を解析し、灰ヤスデはオレンジ及び中間色ヤスデよりも有意にハエに寄生される結果を得た。
(4)クレイモデル実験:ヤスデ類の捕食者推定のために、2016年に実施した灰とオレンジのヤスデ型クレイモデルを用いた野外実験についてデータ解析を進めた。その結果から、ヤスデ体色進化に影響を与える、昼間の主な捕食者は鳥と推定された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [国際共同研究] Virginia Tech.(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Virginia Tech.
  • [国際共同研究] Hungarian Natural History Museum(ハンガリー)

    • 国名
      ハンガリー
    • 外国機関名
      Hungarian Natural History Museum
  • [学会発表] ヤスデ類における警告色のミュラー型擬態2019

    • 著者名/発表者名
      田辺 力・本間 淳・持田浩治・曽田貞滋・Marek, P. ・松井久実・桑原保正
    • 学会等名
      日本生態学会
  • [産業財産権] 小動物表面の反射測定に用いるプローブ補助器具2018

    • 発明者名
      田邊 力
    • 権利者名
      田邊 力
    • 産業財産権種類
      実用新案
    • 産業財産権番号
      3218856

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公開日: 2019-12-27  

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