共生がもたらす適応度への効果は正に働くと考えられているが、実際には、共生相手の種や条件に応じて、正の影響も負の影響もある。共生に焦点を当てた進化論的研究では、「最も重要な影響はすみやかにより高い繁殖へと変換され、短期間で観察可能な適応性の増減をもたらす」と仮定されている。しかし、環境条件、共生者および相互作用する種の遺伝的特徴によっては、共生は短期間で非常に変化しやすい影響をもたらす可能性がある。その問題に取り組むために、エストニアで野生のラン種を用いて適応度を測定する実験をした。その結果、共生は短期的にはさまざまな影響を及ぼしたが、長期的には全体的な適応性が向上することを発見した。
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