研究課題/領域番号 |
16K07520
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
中島 敏幸 愛媛大学, 理工学研究科(理学系), 教授 (70314945)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 共生の進化 / 実験進化 / 藻類 / 大腸菌 / 原生動物 |
研究成果の概要 |
生物進化は生態系の中で起こる.私たちは,生態系内の構成種間の相互作用や物質・エネルギー流の制約のもとで構成種がどういう機構で進化するかを調べるために,3種の微生物(藻類・大腸菌・原生動物)からなるフラスコサイズの生態系を作成し,約13年間培養した.本研究に先立ち,藻類・細菌間の共生と藻類・原生動物間の細胞内共生のそれぞれの初期段階が進化していることが示唆されていた.本研究では,特に藻類・細菌間の共生の進化の仕組みに焦点を当て,両種の生理・形態的形質,生態的相互作用,大腸菌のゲノムDNAの変化のそれぞれの側面から解析した.その結果,両種が共生関係を進化させ,多様な変異体が共存することが示された.
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自由記述の分野 |
生態進化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
微生物を用いて実験個体群や群集を作り,それを長期に培養し進化過程を明らかにする手法(実験進化)がある.しかし,従来の方法は着目する個体群のみを培養系に入れ,外部から資源を供給する形で行われてきた.本研究では,光照射のみで構成種が維持される自律型のモデル生態系を独自に開発した.これは,生態系から生物種を切り出さずに,生態系における生物進化を解析する全く新しい手法である.この培養系を13年間という長期に培養し,共生の進化の共存の仕組みを明らかにした.自然生態系は生物が互いに相互作用して進化した結果できた系あることから,本成果は,生物の共存の仕組みを進化の視点から理解することに大きく寄与する.
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