研究課題/領域番号 |
16K07531
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
自然人類学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
市野 進一郎 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 研究員 (30402754)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 繁殖成功 / 霊長類 / 老化 / 生活史 / 進化 / キツネザル / マダガスカル / 人類学 |
研究成果の概要 |
ワオキツネザルのメスの生涯繁殖成功の決定要因を明らかにするために、マダガスカル南部で野生ワオキツネザルの調査をおこなった。ベレンティ保護区における長期研究で蓄積された30年間の人口学データと行動観察データを分析し、以下のような結果を得た。(1)個体群動態の変動は大きく、出産率も年によって大きく変動した。(2)メスの繁殖に影響を与える主な要因は群れサイズであった。(3)高齢メスは身体能力の低下を示唆する行動を示した一方で、社会活動や繁殖活動は低下させていなかった。以上の結果から、ワオキツネザルのメスの生涯繁殖成功は個体の生存期間と出生コホートに影響を受ける可能性が示唆された。
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自由記述の分野 |
霊長類学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、野生ワオキツネザルのメスの繁殖に個体群動態や群れサイズなどの社会的要因が影響することを明らかにした。これらの結果は、マダガスカルで多様な進化を遂げたキツネザル類の社会進化のメカニズムを解明するうえで重要な情報である。また、高齢キツネザルの社会行動や繁殖について明らかにし、霊長類の老化を進化の点から考察するのに重要な資料を得た。ワオキツネザルは国際自然保護連合によって絶滅危惧種に指定されており、本研究で得られた繁殖、生活史、個体群動態などに関する情報はキツネザル類の保全にも役立てることができる。
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