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2019 年度 研究成果報告書

ゴリラのオスの「移出」における意思決定プロセス:社会的および生理的要因

研究課題

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研究課題/領域番号 16K07537
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 自然人類学
研究機関鹿児島大学

研究代表者

藤田 志歩  鹿児島大学, 総合科学域総合教育学系, 准教授 (90416272)

研究分担者 井上 英治  東邦大学, 理学部, 講師 (70527895)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード生活史 / 社会構造 / 性成熟 / 競合 / 内分泌 / ストレス / ゴリラ / 大型類人猿
研究成果の概要

ゴリラは基本的に単雄複雌型の社会を形成するが、2種4亜種の間で集団内の繁殖オス数に変異が報告されている。ニシローランドゴリラでは複雄群はほとんど観察されておらず,オスは性成熟に達すると出自群から移出する。本研究は,オスの出自群からの移出における至近要因を検討するため,ガボン共和国ムカラバードゥドゥ国立公園において、ニシローランドゴリラオスの成長に伴うストレスレベルの変化を調べた。その結果、オスでは性成熟期にコルチゾル濃度が有意に上昇した。また、調査対象群の全ての出自オスがサブアダルト期に移出した。すなわち、オスでは性成熟に伴って雄間の競合が高まり、出自群からの移出の誘引となることが示唆された。

自由記述の分野

霊長類学

研究成果の学術的意義や社会的意義

霊長類の社会構造は多様であり、集団の性構成やその継承性が種によって異なることから、その要因を明らかにすることは人類の社会進化の解明につながると期待される。従来、ゴリラの社会構造の種内変異について、集団内・集団間の採食および繁殖競合、捕食者からの回避、子殺しの防衛など、社会生態学的な説明が行われてきた。しかし、このような社会生態学的な説明は社会構造の機能を示したものであり、集団内の繁殖オス数の違いにつながるオスの生活史戦略の可塑性がどのように生じるかについて調べた報告はない。本研究の成果は、ヒト亜科における社会構造の多様性、とくに種内変異に関してあらたな知見を与えると考えられる。

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公開日: 2021-02-19  

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