研究課題
ネパールのカトマンドゥーにあるShivapuri Nagarjun国立公園とそれに南接するBalaju公園で,マカク属のアッサムモンキー(Macaca assamensis)のAAとAS群及びアカゲザル(Macaca mulatta)のRBとRN群を,Tribhuvan大学のMukesh K. Chalise氏の協力を得て,2017年4月から2018年3月まで観察した。AA群は,Nagarjun地域の軍隊施設で餌付けされて人馴れしており,Sabina Koirala氏とPooja Upadhayay氏が観察した。RB群は,Balaju公園で観光客に餌付けさて人馴れしており,Sabina Koirala氏とSunil Khatiwada氏が観察した。AS群は,Nagarjun地域のSimpaniを行動域とする野生群であり,Pavan K. Paudel氏が観察した。RN群は,Shivapuri地域のNagiを行動域とする野生群であり,Sunil Khatiwada氏が観察した。研究代表者小川秀司は複数回ネパールに渡航して上記の観察に加わり,随時調査の進行状況を確認した。餌付け群であるAA群とRB群については,全個体を識別して,オトナメスとオトナオスの行動を個体追跡法によって記録すると,アカゲザルと比べてアッサムモンキーは,血縁者びいきが弱くて,非血縁者との親和的社会交渉が多く,順位関係は緩やかだった。野生群のAS群とRN群については,GPSを用いて群れの位置を記録しつつ,スキャニング法によって各個体の活動を記録すると,アカゲザルと比べてアッサムモンキーは,樹上性が強く,行動域が狭く,移動距離が短く,採食品目数が少なかった。こうした生態的特徴が,両種の社会関係の相違に影響していると考えられた。得られた結果は,査読付き学術論文にまとめ国際シンポジウム等で参加した。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
Primate Research
巻: 30(1) ページ: -
Journal of Ethology
巻: 印刷中 ページ: -
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