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2017 年度 実施状況報告書

加齢にともなう動脈硬化の進展はヒトとして必然か ーネパール住民調査を通してー

研究課題

研究課題/領域番号 16K07541
研究機関九州大学

研究代表者

大柿 哲朗  九州大学, 人間環境学研究院, 特任研究者 (20101470)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードネパール / 血圧 / 動脈硬化 / 中心動脈指数 / 上腕動脈指数 / 加齢
研究実績の概要

日本では加齢とともに血圧が高くなり、生活習慣病のうち高血圧疾患が最も多。一方、ネパールの田舎をはじめ工業先進国化する以前の社会では、加齢にともなう血圧の上昇や高血圧者がほとんど認められない集団が多数存在する。血圧は動脈が硬化すると上昇すると言われているが、工業先進国化する以前の社会に居住する集団において動脈が加齢とともに硬化していくか、あるいはそのことがヒトとして自然かどうかは不明である。
平成29年度は10月~11月と平成30年2月~3月の2回、それぞれ約3週間ネパールへ渡航し、現地調査を実施した。前者の調査地は、前年度と同じKavre Palanchok郡Panchikhal市のAnaikotの5つの山村農村部集落(標高800~1200m)であった。後者の調査地は、ネパールのトリブバーン大学医学部教育病院のSashi Sharma教授と相談してPanchikal市に隣接するNagar-Palika市にあるPanitarとJudigaunの2つの平地農村部(標高600~700m)とした。測定。調査項目は、血圧、動脈硬化の指標である中心動脈指数(AVI)と上腕動脈指数(API)、形態(身長、体重、上腕囲)、生活習慣調査などであった。
本年度は山岳地農民421名、平地農民406名から測定値を得た。これに前年度の297名のデータを加えると総計1,124名となる。現在、測定データを地域・性別に整理し、分析を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成27年4月に発生したネパール地震の被害を受けた地域にも関わらず、平成28年度と29年度のネパール現地調査で、総計1,124名から測定データを得ることができた。一方、当初の計画では首都Kathmandu近郊の平地農村部を調査地を予定していたが、地震からの復興が遅れていたため、トリブバーン大学医学部教育病院のSashi Sharma教授と相談して、今回のNagar-Palika市にあるの2つの平地農村部(Panitar、Judigaun)で調査できた。平成28年度と29年度の計3回の現地調査で課題に答えられる測定データは得られたものと考えられる。

今後の研究の推進方策

ネパールの丘陵地農村(計7つの集落)や平地農村部(2つの集落)に居住する住民の延べ1,124名から測定データを得た。平成30年度は、得られたデータを地域・性別に整理し、分析を行う。特に、課題が「加齢にともなう動脈硬化の進展はヒトとして必然か」を検討することであり、年齢および血圧と中心動脈指数および上腕動脈指数との関係について、詳しく分析を行う。その成果は、学術雑誌に投稿して公表する予定である。

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公開日: 2018-12-17  

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