平成30年度は、ネパールの首都Kathmanduに隣接する都市Patan市の住民を対象に測定調査を実施した。20才以上の都市住民、男性391名(52±15才)、女性919名(51±14才)から血圧、動脈硬化指標(AVI、API)等のデータを得た。 平均の収縮期血圧は、男性134±20 mmHg、女性131±21 mmHgで、拡張期血圧は男性81±12 mmHg、ジョセウィ78±11 mmHgであり、収縮期血圧については、男女ともに平成28・29年度に測定した山村住民より明らかに高かった。収縮期血圧は男女とも年齢と有意な正の相関関係があったが、拡張期血圧は有意な関係は認められなかった。動脈硬化指標のAVIとAPIともに男女とも年齢と有意な関係にあり、都市住民では加齢とともに収縮期血圧が上昇し、そのひとつの要因として加齢にともなって動脈の硬化も進行するためであると思われる。 測定した男性2391名、女性919名のうち、男性160名と女性338名が降圧剤をはじめ何らかの薬剤を服用していた。そこで今後は、薬剤の服用の有無別に分けて分析し、また過去2年間に測定した山村住民のデータとの比較・分析を行い、研究課題に対する検討を行う。
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