研究課題/領域番号 |
16K07545
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研究機関 | 明治薬科大学 |
研究代表者 |
駒田 陽子 明治薬科大学, 薬学部, 准教授 (40451380)
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研究分担者 |
岡島 義 早稲田大学, 人間科学学術院, 助教 (50509867)
高江洲 義和 杏林大学, 医学部, 講師 (90421015)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | social jetlag / 社会的ジェットラグ / クロノタイプ / 睡眠 / 時間生物学 / 生産性 / 日中機能 / プレゼンティズム |
研究実績の概要 |
本年度は、社会的ジェットラグが欠勤(absenteeism)ならびに職場に出席しているが作業能率が落ちている状況(presenteeism)にどのような影響をもつかを、クロノタイプを含めて検討することを目的として、1万人を対象としてウェブ調査を実施した。調査対象者候補は、地域、年代、性別の分布を考慮して割り付けし、調査項目は、基本情報(年齢、性別、緯度・経度を情報化するための郵便番号)、ミュンヘンクロノタイプ質問紙日本語版(MCTQ)、仕事の制約に関する質問票(WLQ)、社会経済的要因(職業、シフトワーク従事の有無、勤務時間または就学時間、通勤または通学時間、食事欠食の状況、夜間ディスプレイ視聴時間、身体活動)で構成した。回答に不備のあったもの(n=198)、勤務していない者(n=3966)、シフトワーカー(n=1232)、休日に目覚ましを使って起床している者(n=2389)は除外し、3708人(男性57.8%, 平均[SD]年齢44.2 [13.5]歳)を解析対象とした。MCTQを用いて仕事のある日と仕事のない日の睡眠中央値(MSW, MSF)を算出し、その差分をsocial jetlagとした。睡眠負債を調整後の休日睡眠中央値(MSFsc)を個人のクロノタイプの指標とした。クロノタイプ中間型・夜型では、SJLが1時間以上の者は1時間未満の者と比べて有意に仕事の生産性の損失が大きかった(F(5,3464)=9.39, p<0.01)。クロノタイプ朝型ではSJL1時間以上の者と1時間未満の者との間に、仕事のパフォーマンスに関する有意な差は見られなかった。以上の結果から、クロノタイプ自体ではなく社会的ジェットラグが仕事の生産性に関連しており、夜型に問題があるのではなく社会の時計と個人の体内時計が合わないことが日中機能の低下を引き起こしている可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大規模調査データを解析し、学会で発表した。
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今後の研究の推進方策 |
研究成果を学術論文として公表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
論文投稿には至らず、英文校閲費用、投稿費用が発生しなかったため。来年度、論文投稿のための英文校閲費用、投稿費用として使用する予定である。
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