研究課題
基盤研究(C)
本研究では、イネ実験系統MC276の持ついもち病圃場抵抗性QTL qBRM6.2 に着目し、その単離と機能解明を行った。これまでのfine mappingの結果からqBRM6.2 は真性抵抗性遺伝子と報告されていたPid3-I1ではないかと考えられたため、この遺伝子をアグロバクテリウム法により日本晴に導入し、得られた形質転換系統の特性を解析した。その結果、形質転換系統はレース特異的な量的抵抗性を示したことから、qBRM6.2はPid3-I1で、圃場抵抗性遺伝子であることが明らかになった。
植物育種学
真性抵抗性遺伝子として報告されていたPid3-I1遺伝子が実際は圃場抵抗性遺伝子であること及びその特性が明らかになったことで、抵抗性育種におけるこの遺伝子の利用において有用な知見が得られた。また、配列のわずかな違いによって真性抵抗性(Pid3-I3遺伝子)から圃場抵抗性(Pid3-I1遺伝子)へと形質が変わることが明らかとなり、今後圃場抵抗性の機構を解明する上で重要な手がかりが得られた。