| 研究課題/領域番号 |
16K07567
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| 研究機関 | 茨城大学 |
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研究代表者 |
浅木 直美 茨城大学, 農学部, 准教授 (40571419)
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| 研究分担者 |
黒田 久雄 茨城大学, 農学部, 教授 (20205256)
吉田 貢士 茨城大学, 農学部, 准教授 (20420226)
佐藤 達雄 茨城大学, 農学部, 教授 (20451669)
七夕 小百合 茨城大学, 農学部, 准教授 (20512221)
新田 洋司 茨城大学, 農学部, 教授 (60228252)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | 玄米外観品質 / 葉面散布 / 尿素 / グルコース / スプリンクラー / 水稲 / 高温 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は、スプリンクラーによる散水灌漑方式と液肥の葉面散布を組み合わせることで、水稲の高温登熟障害を軽減する技術を開発することを目的とした。H28年度は、ビニールハウス（高温条件下）内で2つのポット実験（ポット実験1、ポット実験2）を行った。ポット実験1として、尿素とグルコース水溶液の葉面散布が水稲の収量と外観品質におよぼす影響を調査した。その結果、水稲登熟期に尿素1％水溶液またはグルコース5％水溶液を葉面散布することにより、対照区（葉面散布なし）に比べて玄米収量が増加する傾向が認められた。また、尿素とグルコースの混合水溶液を葉面散布することにより、玄米収量が対照区に比べて有意に増加した。さらに玄米の完全粒率も尿素とグルコースの混合水溶液の葉面散布により増加した。以上のことから、グルコースと尿素の混合液の葉面散布は水稲収量と玄米外観品質を向上させる効果を有することが確認できた。
ポット実験2として、異なる散水時期（出穂前、出穂後）と散水時間（昼間、夜間）の散水が温度環境（気温、地温、稲体（地上部）温度）、水稲の収量と外観品質におよぼす影響を調査した。その結果、スプリンクラー散水によって、高温時の日中の気温を低下できることが確認できた。しかし、水稲の生育期間を通してみると、散水が気温と地温を低下させる効果は小さかった。また、稲体（地上部）温度は散水により低下した。出穂前の夜間散水により玄米収量が増加する傾向であった。また、出穂後の夜間散水により玄米の完全粒率が増加する傾向が認められた。
以上の2つの実験結果より、尿素とグルコースの混合水溶液の葉面散布とスプリンクラー散水は水稲の高温登熟障害の改善効果を有することを確認できた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初、計画していた実験を遂行し、葉面散布と散水灌漑が水稲の収量と外観品質におよぼす影響を評価することができた。得られた実験結果をもとに複数の学会での発表を予定しており、おおむね順当に進展していると判断される。
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| 今後の研究の推進方策 |
H29年度は、H28年度と同様にポット実験1とポット実験2を実施する。
実験1（葉面散布効果に関する実験）として、屋外（網室）とビニールハウス内（高温条件下）においてポット実験を行う。通常の気温下（網室）と高温条件下（ビニールハウス内）の水稲への葉面散布を行い、水稲の収量と外観品質におよぼす影響を調査し、H28年度の実験結果と合わせて葉面散布効果を確認する。さらに、13C15Nトレーサー法により葉面から吸収されたグルコース由来Cと尿素由来Nの行方を解析することで、尿素とグルコース混合液散布による玄米収量と完全米率の向上要因を明らかにする。
実験2（スプリンクラー散水効果に関する実験）として、H28年度と同様にビニールハウス内で実験を行う。H28年度実験ににより散水効果が高かった出穂前後の夜間散水の収量や品質向上効果を確認する。また、圃場においてもスプリンクラー散水実験を実施し、スプリンクラー散水の気温、地温、稲体温度の低減効果、収量や外観品質におよぼす影響を調査する。
H28年度とH29年度の実験結果をもとに実際の圃場で高温障害の回避効果の高い条件を明らかにするために、葉面散布とスプリンクラー散水が水稲の生理機能におよぼす影響を解析する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
栽培実験が終了したのが9月下旬と遅く、その後のデータ処理や解析に時間を要した。すべての解析が終了し論理的に確認してから学会講演会で発表すべきと考え、予定していた旅費の一部を物品費等で使用した。
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| 次年度使用額の使用計画 |
学会参加費や旅費、学術雑誌への投稿用の費用して使用する。
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