研究実績の概要 |
イネはイヌビエの根から放出されている物質を感受しモミラクトンの生産と放出量を増加させている.このInfo-chemicalの本体を明らかにすることが本研究の目的である.イヌビエの根から放出されているInfo-chemicalは,今までの予備実験で,水耕栽培で集められることを確認している.そこで,イヌビエを無菌的に大量に水耕栽培し,水耕液を集めた.水耕栽培液は,各種のクロマトグラフィーで順次分離した.各クロマトグラフィーでの分離段階ごとに,すべての分離画分のモミラクトン誘導活性を測定した.モミラクトン誘導活性は,分離画分をイネ芽生えに与えて,モミラクトン濃度を測定することで測定できることも予備実験で確認しているので,この方法で行った.モミラクトン誘導活性のあった画分を次のクロマトグラフィー供することで分離精製した.最終的に,モミラクトン誘導活性を持つ画分は,高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分離した.分離したこの画分が,モミラクトン誘導活性を持つことを確認でした.しかし,分離精製した物質量が微量であり,構造解析ができるほどではなかった.そのため,イヌビエ本体から,この物質を集めるために,イヌビエ本体を含水メタノールで抽出し,抽出物を液-液分配し,得られた酢酸エチル相をシリカゲルカラム,セファデックスLH-20カラム, C18カートリッジ, HPLCを用いて順次分離した.最終的にHPLCに供した結果, 保持時間32分付近の画分に強いモミラクトン誘導活性が認められた. 現在この物質の構造解析を進めている.
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