研究課題
基盤研究(C)
植物工場でのイチジク果実生産を目的に,LED光照射がイチジク樹の新梢生育,果実品質および果実収量に及ぼす影響を明らかにした.新梢生育は青色LED光照射により促進される傾向にあった.果実の大きさおよび可溶性固形物含量は青,赤および緑色LED照射によって影響されなかった.果皮中のアントシアニン含量は赤色LED光照射によって最も高く,次いで青色LED光照射で高かった.これらのことから,密植条件下で赤色LED光を照射することにより,単位面積当りの果実収量を増加することが可能であると考えられた.
果樹園芸学
本研究により,波長の異なる光の照射がイチジクの新梢生育,果実肥大,果実の糖蓄積,果皮中のアントシアンニン含量に及ぼす影響が明らかとなった.特に果皮中のアントシアニン含量に及ぼす赤色LED光照射の影響は顕著であることが明らかとなり,これらの知見を基に,太陽光利用型植物工場でのイチジク栽培における積極的な光環境制御技術およびこれらを用いた高品質果実の多収生産技術の確立につなげることが可能と考えられる.