トマトの着色不良果は高温期に発生しやすく,環境制御機器での制御は困難でその画期的な対策技術が求められる.この生理障害はカリウム代謝の異常によることが確認され,本研究では開花から収穫までの7週間のうち,カリウム不足は3週間以内として適正に施肥管理することが生理障害を回避するために効果があることを明らかにした.ただし,カリウムの増施による対策は,尻腐れ果を発生させる恐れが高まるため注意が必要である.カリウムの欠乏による着色不良は,トマトの果皮の中でも肩部周辺のみで起こる局所的な代謝異常と考えられ,カロテノイド代謝に及ぼすカリウムの関与についてさらに検討したい.
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