イネ白葉枯病菌のhrp遺伝子群は、宿主防御応答の抑制に関わり、病原性に必須である。本研究では、hrp遺伝子群の発現をキシロース依存的に誘導する機構とそれを制御する因子XylRを明らかにした。XylRは転写抑制因子であり、標的遺伝子のプロモーター領域に結合することでその転写を抑制するが、キシロース存在下ではその抑制機能が失われ、標的遺伝子の転写が可能になる。XylRの標的遺伝子には、キシラン/キシロース代謝関連遺伝子も含まれており、白葉枯病菌はイネへの感染過程においてキシロースを栄養源とすると同時に、宿主防御応答の抑制に関わるhrp遺伝子群の誘導因子としても利用することが示唆された。
|