研究課題/領域番号 |
16K07648
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研究機関 | 静岡理工科大学 |
研究代表者 |
齋藤 明広 静岡理工科大学, 理工学部, 教授 (50375614)
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研究分担者 |
鮫島 玲子 静岡大学, 農学部, 准教授 (00377722)
小谷 真也 静岡大学, 農学部, 准教授 (20510621)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | キチン / アセチルグルコサミン / ジアセチルキトビオース / ストレプトマイセス / Streptomyces / バチルス / Baillus / Paenibacillus |
研究実績の概要 |
キチンを添加して5日および45日の間培養した畑土壌から分離した細菌株(それぞれ70株程度)には,キチン分解活性をもつ株と持たない株があり,キチン分解活性を持つ菌株の割合は5日後の方が高かった。また,これらの分離株全ては,キチン分解活性の有無にかかわらず,すべてがキチン分解物であるN,N'-ジアセチルキトビオース(以下,GN2,とする)に対して資化性を示した。また,N-アセチルグルコサミン(以下,GN1,とする)に対しては1株を除いて資化性を示した。これらの結果から,キチン添加培養畑土壌から分離したこれらの細菌株のうち,キチン分解活性を示さなかったものは,キチン分解細菌が分泌するキチン分解酵素のキチンに対する作用で生じる分解物を資化し得ることが示された。 そこで,キチン分解物を消費する主要な細菌を特定すべく,GN1もしくはGN2を添加して培養した畑土壌について,それらのキチン分解物の消費を調べるとともに,キチン分解酵素の活性と細菌群集構造を解析した。その結果,いずれのキチン分解物を加えた場合にもバチルス目が著しく増加することが分かった。GN1を添加した土壌ではGN1の消費に伴ってBacillus属(バチルス目バチルス科)が優位に増加したのに対し,GN2を添加した土壌ではPaenibacillus属(バチルス目ペニバチルス科)も有意に増加した。また,GN2を添加した土壌ではストレプトマイセス科も有意に増加した。土壌中のキチナーゼ活性はGN2やキチンの添加によって誘導されたがGN1ではされなかった。 キチン添加後5日および45日培養した土壌から分離した細菌株のうち,Bacillus属は3株ずつ含まれていた。これらにはキチン分解活性を示すものと示さないものがあったが、45日後の土壌から分離されたBacillus属株は3株ともキチン分解活性を示さなかった。
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