研究実績の概要 |
(A) AAExトランスポーターの結晶構造解析 H30年度までに、好熱性細菌をはじめとする微生物より、熱安定性、単分散性が高く、結晶の得やすいと推定されるAAExトランスポーターを探索した。そこでH30年度は、選抜した耐熱性AAExトランスポーターについて、大腸菌を用いて発現、精製後、蒸気拡散法により結晶化を試みた。さらに、より良い分解能をえるために結晶化条件の最適化を行った。作製した結晶は、大型放射光施設(SPring-8, 兵庫県播磨市)においてX線回折実験を実施した。 (B) AAExトランスポーターの機能に重要なアミノ酸残基の探索と機能解析 B-3 プロテオリポソーム再構成法による輸送機能の解析 AAExトランスポーターを大腸菌を用いて発現と精製を行い、プロテオリポソームへの再構成法により、輸送活性の酵素学的な解析を行い、変異による輸送阻害メカニズムの詳細を検討することを目的とした。AAExトランスポーターの輸送制御に関わる因子を探索し候補化合物を見出した。この化合物は、結合によりAAExトランスポーターのオリゴマー構造を変化させ、活性を制御していることが推察された。この化合物の結合領域を推定し、この領域を欠損したAAExトランスポーターを作成した。現在は、これらの変異体を用いて、制御因子による輸送活性制御メカニズムの解析を進めている。
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