本研究ではパントテン酸キナーゼ(CoaA)によって細胞内CoAレベルが上がった大腸菌を用いて、アセチル-CoAカルボキシラーゼ(Acc)でアセチル-CoAをマロニル-CoAに変換し、脂肪酸合成酵素(Fas)で脂肪酸を生産することにより、物質生産におけるCoAコファクターエンジニアリングの有用性を検討した。 CoaA、Acc、およびFasの共発現株では、マロニル-CoAが細胞内CoAプールの主要なCoA分子種となり、脂肪酸生産が5.6倍に上昇した。また、外来のFasに依存したオレイン酸が確認され、細胞内CoAプールを大きくすることにより、大腸菌では本来生成しない脂肪酸生産の可能性も見えてきた。
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