本研究によって、分裂酵母Schizosaccharomyces pombeにおいて、硫黄の制限が経時寿命を延長させることが明らかになった。硫黄制限は細胞のサイズ、RNA量、リボソームタンパク質量を減少させ、胞子形成率を上昇させた。これら応答は、高発現によって経時寿命の延長を起こすEcl1ファミリー遺伝子に依存する。また、硫黄枯渇に応答してこのEcl1ファミリー遺伝子が誘導されるのだが、このメカニズムも明らかにした。さらに、リボソーム活性の低下が経時寿命を延長させることも示した。以上より、硫黄枯渇はリボソーム活性依存的にEcl1ファミリー遺伝子を介して経時寿命を延長させると考えられる。
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