研究課題
基盤研究(C)
クラスII LitR蛋白質とLOV複合体の結晶化条件を約5,800通りスクリーニングしたが、複合体の結晶化には至らなかった。Burkholderia multivoransのクラスIII LitRの遺伝生化学的な解析によって350nm付近に吸収を示すUV-Aセンサーとして働き、葉酸の発現制御に関わることを明らかにした。また、納豆菌において細胞外粘性物質の生産量が光照射により抑制される現象を見出し、γ-ポリグルタミン酸合成に関わる酵素活性に光照射が影響を及ぼすことが示唆された。
微生物遺伝学
グラム陰性細菌Burkholderia multivoransのクラスIII LitRが、一次代謝の葉酸合成遺伝子の光依存的な発現に関与することを示した最初の例である。また、クラスIII LitRは転写調節とUV-Aセンサーの2機能を合わせもったバクテリアからの初めての例と予想されることから、学術的に高い意義を有する。納豆菌において見出したユニークな現象およびその研究成果は、光によるγ-ポリグルタミンの精密な生産制御技術の基盤となることが見込まれる。