研究課題/領域番号 |
16K07679
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
加藤 雅士 名城大学, 農学部, 教授 (70242849)
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研究分担者 |
志水 元亨 名城大学, 農学部, 助教 (20423535)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 鉄のホメスタシス / 糸状菌 / 転写因子 / HapX / CCAAT / 転写抑制 / Hap複合体 / 鉄硫黄クラスター |
研究実績の概要 |
1)HapXとの相互作用因子の候補の選抜:平成28年度に引き続き、TAPタグを用いた2段階アフィニティー精製の条件検討を行なった。電気泳動による解析でHapB/C/Eを含む複数のタンパク質のバンドが検出された。前年度の予備的な検討に比べ、よりはっきりと鉄濃度に依存したバンドが見られるようになり、結果の信頼性が増したと思われる。 2)HapXとの相互作用因子の同定:1)で得られた画分を電気泳動し、質量分析およびMASCOT解析を行なったところ、予備的検討で候補に挙がっていた2つのタンパク質(ANXXXX, ANYYYY, 論文として公表するまでは、同因子が識別できるような名称の公表は控える)が、再現性をもって同定された。ANXXXXに関しては、転写制御に関わるドメインとさらに鉄制御に関連したドメインを有することが明らかとなり、分子機構の解明に有力な手がかりとなることが示唆された。ANYYYYに関してもHapXの分子機構と関連して興味深い因子であることが推測された。 3)相互作用因子の解析:相互作用因子の解析を目的とし、2つの候補タンパク質に関して、それらをコードする遺伝子の破壊カセットベクターを構築した。現在、一つ目の因子ANXXXXに関しては破壊株の候補が得られている。2つ目の因子ANYYYYに関して破壊株の取得を進めている。これらの遺伝子破壊株の取得により、in vivoでの解析が格段に進むと思われる。次年度は、これらの株を利用して、鉄関連遺伝子の転写制御の鉄濃度依存性を調べることも可能となる。 4)ChIPアッセイのための予備的検討:相互作用因子が複合体として含まれることを想定し、候補因子へのタグの導入を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)予備的検討で構築された相互作用因子の同定のための系の再現性が確認でき、信頼性が増したこと。 2)相互作用因子が複数同定されたこと。 3)そのうちの2つの因子が同定され、さらに興味深い機能ドメインが含まれていたこと(詳細については論文の公表まで公開を差し控える)。 4)2つの候補因子のうちの一つに関しては、遺伝子欠失株の候補が取得できたこと。もう一つの候補因子の欠失株の取得の準備も順調に進んでいること。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に沿って、粛々と研究をすすめる。 昨年度まではin vitroの研究が進んでいたが、欠失株の取得に伴い、in vivoでの研究も進むものと考えられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)年度末に19,702円の残額が発生したが、次年度には抗体やPCRに必要な酵素など、多額の消耗品の使用が予想されたため、研究費の有効利用のために翌年度に使用することとした。 (使用計画)抗体や酵素類などの購入代金に使用する。
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