溶血性レクチンCEL-IIIの膜孔形成機構の解明の研究を行った。立体構造から解明されている膜孔形成部位のStem部位及びそれに加えてWrapping部位を欠損させた変異体を作成し、その四次構造を解析した。その結果、Stem部位を欠損しても七量体を形成し、Wrapping部位も欠損することによって多量体化しないことが明らかとなった。この結果から、CEL-IIIは膜貫通部位がなくても多量体化が可能であり、Wrapping部位が七量体化に必要であることが明らかとなった。これらのことは、膜孔形成において、初めに七量体化が起こり、その後に膜孔を形成する機構で進行することを示唆していた。
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