これまで植物からアセチルコリンの検出について報告例はあったが、植物自身がアセチルコリンを生合成しているのか、確定していなかった。本研究でイラクサのアセチルコリン合成酵素を部分精製し、決定したペプチド配列から判断すると、動物で高度に保存されているアセチルコリン合成酵素とイラクサのアセチルコリン合成酵素とは相同性が非常に低く、植物は動物とは独立にアセチルコリン合成酵素を獲得した可能性が考えられた。今後、大部分が未解明な、植物におけるアセチルコリンの生物学的役割の解明に向けて有用な知見となると期待される。
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