研究課題
エーテル型リン脂質の抗動脈硬化作用機序の解明のために、リポタンパク質代謝に関与するタンパク質発現への影響を株化細胞を用いて検討を行なった。HDLの機能向上には、構成成分であるapoAIのようなタンパク質の変化も関与していると考えられる。また、コレステロールを合成・蓄積する組織への影響も考えられる。そこで、肝臓やマクロファージなどリポタンパク質代謝・動脈硬化と関連のある組織の株化細胞(HepG2細胞、THP-1細胞など)にアルキル型リン脂質もしくはPlsを添加し、リポタンパク質代謝に関与するタンパク質(アポタンパク質やABCタンパク質)を、qPCRで検討したところ、THP-1細胞にアルキルリン脂質を添加した際、アポタンパク質およびABCタンパク質で変化が見られた。現在、HepG2細胞での解析中である。THP-1細胞を用いたコレステロール引き抜き能の検討では、細胞にプラスマローゲンをとりこませると僅かではあるが引き抜き能が向上が見られた。また、平成29年度予定の閉経モデルラットを用いた検討の予備試験を行なったところ、卵巣摘出ラットにおいて、血中プラスマローゲン総量に差は見られなかったが、その分子種組成に差が見られた。今回は週齢の若いラットで卵巣摘出を行なったため、現在、リタイアラットを用いた検討を実施中である。
2: おおむね順調に進展している
細胞実験は少し遅れ気味だが、次年度予定の動物実験の予備実験が終了しているため、おおむね順調に進んでいると思われる。
遅れている細胞実験を進めるとともに、動物実験も並行していく。
節約に務め、実験を進めたため。
さらに実験を進めるために実験用消耗品に使用するとともに、学会での情報収集および発表の機会を増やす。
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日本醸造学会誌
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Clin Chim Acta.
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10.1016/j.cca.2015.12.007.