研究課題/領域番号 |
16K07728
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
西向 めぐみ 岩手大学, 農学部, 准教授 (40374730)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | エーテル型リン脂質 |
研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、リポタンパク質代謝、特にコレステロール輸送に関与するタンパク質発現への影響を株化細胞を用いて検討を行なった。昨年度はマクロファージへの影響を検討するためにTHP-1細胞での検討をおこなったが、今年度はリポタンパク質代謝に関連する臓器として、肝臓と小腸を想定し、HepG2細胞とCaco-2細胞での検討をおこなった。その結果、HepG2ではエーテル型リン脂質の影響は見られなかったが、Caco-2ではエーテル型リン脂質により、リポタンパク質代謝関連タンパクの遺伝子発現が上昇していた。これまでのTHP-1での検討でもエーテル型リン脂質の添加で、関連遺伝子の発現上昇が見られたことより、コレステロールの輸送にエーテル型リン脂質が関係していることが示唆された。 閉経モデルラットを用いて検討を行なった。予備試験では若齢ラットでの卵巣摘出での検討を行なったが、今回は実際の閉経を想定して、リタイアラット(6か月齢以上)を用い、さらにリタイアラットの卵巣を摘出した群も設けた。その結果、リタイアラットでは若齢ラットに比べ、血中プラズマローゲンのリン脂質中の割合は減少し、卵巣摘出を行なったリタイアラットではさらに減少していた。また、血中の中性脂質およびコレステロール濃度も上昇していた。これらの結果より、血中プラスマローゲン減少を指標とした動脈硬化モデルとして、加齢および卵巣摘出ラットは有用であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ予定通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
モデル動物としての閉経モデルの有用性が認められたので、エーテル型リン脂質添加による検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 節約に務め、実験を進めた。 (使用計画) さらに実験を進めるために実験用消耗品に使用するとともに、学会での情報収集および発表の機会を増やす。論文投稿を進める。
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