日本型低栄養としてたんぱく質および糖質制限に着目し、妊娠期におけるこれらの低栄養が次世代の糖代謝に影響を及ぼすメカニズムについて検討を行った。その結果、マウスにおける妊娠期の総エネルギー制限(たんぱく質を含むすべてのエネルギー源の制限)が次世代における膵臓β細胞の発達を阻害し、その結果インスリン分泌不全による糖代謝不全を引き起こすに対し、妊娠期の糖質のみの制限によるエネルギー制限は膵臓の発達には影響せずに、白色脂肪細胞の小型化を介してインスリン感受性を亢進する可能性が示唆された。同様の結果は、さらに日本の現状を反映した、肥満の雄マウスと妊娠期低栄養の雌マウスを用いたモデルにおいても認められた。
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