白色脂肪組織が褐色脂肪組織様の高い熱産生能を獲得する「褐色化」は肥満症に対する新たな標的として期待されている。本研究では、リガンド要求性転写因子、核内受容体を介した褐色化について検討し、以下の2点に代表される知見を得た。1. 核内受容体PPARαの合成リガンドによる活性化は、肝臓FGF21の産生亢進を介して褐色化を誘導することを見出した。2. 食品由来PPARα活性化因子であるphytanic acidは脂肪組織PPARαの直接的な活性化を介して褐色脂肪組織機能を亢進することを見出した。以上より、PPARα活性化因子は種々の分子機構により褐色脂肪組織機能亢進作用を示すことが示唆された。
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