本研究では、最初に魚油含有高脂肪食(FOD)給餌が食餌誘導性肥満を予防するか確認した。FOD給餌はラード含有高脂肪食(LD)給餌と比べて顕著に体重増加を抑制した。次にアルツハイマー病モデルマウス(ADマウス)を用いて肥満と認知機能の関係を新規物体認識試験により評価した。LD給餌ADマウスは、通常食給餌ADマウスと比べて体重が増加し、認知機能の低下が認められた。一方、FOD給餌ADマウスは、LD給餌ADマウスよりも体重増加が抑制され、認知機能の改善が認められた。これらの結果から、肥満の改善がアルツハイマー病による認知機能低下を改善することが示唆された。
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