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2018 年度 実績報告書

ミクロゲルの乳化・泡沫系食品への展開-Mickering安定化機構の可能性

研究課題

研究課題/領域番号 16K07751
研究機関京都大学

研究代表者

松宮 健太郎  京都大学, 農学研究科, 助教 (60553013)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードミクロゲル / エマルション / 寒天 / カードラン / ジェランガム / 乳化安定性 / 植物性素材 / 乳化剤
研究実績の概要

本研究では、ミクロゲルを乳化剤として乳化系を安定化させる「Mickering 安定化機構」を利用して、植物をはじめとする非動物性素材の潜在的な加工機能性を引き出すことを目的とした。さまざまな食品素材から食品産業で活用できるようなゲル化性材料を選択し、既存の簡便なマクロゲルの調製方法を利用して、ミクロゲルの調製条件の最適化を行った。また、ミクロゲルの乳化安定化メカニズムを解析した。
材料として寒天とカードラン、ジェランガムを供試した。マクロゲルの調製条件、すなわちゲル化剤の濃度や塩強度、pHなどを変えた予備実験を行い、これらの多糖類のマクロゲルを得た。マクロゲルを高速ブレンダーや超音波ホモジナイザー、あるいは超高圧ホモジナイザーによって粉砕することでミクロゲルを調製した。また、従来よく利用されていた希薄溶液からのビルドアップ法によってもミクロゲルを調製した。
調製したミクロゲルの分散液を対象に沈降試験や粒度分布測定、あるいは電子顕微鏡観察を行ったところ、得られたミクロゲルの沈降挙動や粒度分布、微細構造は大きく異なっていた。多糖類ミクロゲルの物理的性質はミクロゲルの材料に依存して異なるだけではなく、微細化方法によっても異なることが分かった。
多糖類ミクロゲルによって水と大豆油の乳化物を調製し、安定性を中心とした乳化特性の評価を行った。寒天とカードランのミクロゲルの場合は乳化物を調製することが出来たが、ジェランガムのミクロゲルは乳化物を安定化する能力に乏しかった。多糖類ミクロゲルの乳化物安定化能にはミクロゲルの粒子径が関わっている可能性が強く示唆された。また、カードランミクロゲルの乳化物は油滴の合一への安定性が高かったが、この性質にはミクロゲルの疎水性の高さが寄与することが示唆された。
以上のような結果は、多糖類ミクロゲルを新たな乳化素材として利用できる可能性を示すものである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Microgelation imparts emulsifying ability to surface-inactive polysaccharides?bottom-up vs top-down approaches2018

    • 著者名/発表者名
      Ishii Toya、Matsumiya Kentaro、Aoshima Mai、Matsumura Yasuki
    • 雑誌名

      npj Science of Food

      巻: 2 ページ: 1-12

    • DOI

      doi.org/10.1038/s41538-018-0023-7

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Emulsification of vegetable oil by edible polysaccharide microgels2018

    • 著者名/発表者名
      Kentaro Matsumiya
    • 学会等名
      JOCS-AOCS Joint Symposium 2018 in the 57th Annual Meeting of the Japan Oil Chemists’ Society
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Microgelation imparts emulsifying ability to surface-inactive polysaccharides2018

    • 著者名/発表者名
      Kentaro Matsumiya
    • 学会等名
      Young Scientist Forum by the University Consortium of Food Science and Nutrition
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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