研究課題/領域番号 |
16K07773
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
齊藤 陽子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (00302597)
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研究分担者 |
井出 雄二 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (90213024)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 小集団 / シオジ / イチイガシ / ドローン / 発芽 / 種子 |
研究実績の概要 |
本年度は、対象とした小集団で種子を採取し、発芽実験を行い、発芽率を求め、また遺伝マーカーを用いて交配の実態を明らかにすることとした。また、対象樹種のひとつであるシオジは雌雄異株の樹種である。成木が少数個体である集団の場合、成木が雌株か雄株であるかは重要な情報であると考え、本年度は、ドローンを用いてシオジの1集団で雌雄の判別することを試みた。 その結果、シオジの雌雄の判定には樹冠近くまでドローンを寄せる必要がありドローンが枝にかかることが多く、またシオジの生育適地である渓流沿いでは流れに沿った風速が早いため、ドローンがバランスを崩して渓流に落下することもあった。一方で、1回のみではあるが花の写真撮影にも成功したものの、カメラの解像度の問題から雌雄の判定ができなかった。 小集団での種子の採集は、シオジ2集団全1320個、イチイガシ5集団全417個を採取し、発芽実験に供試した。イチイガシについては、発芽率は、0%~38.4%であった。成木1個体のみからなる集団でも種子は採取できたが、発芽個体はなかった。一方で、発芽率が38.4%と最も高かった集団は、成木が3本のみの集団であり、個体数が少なくても複数個体があれば十分な発芽率が得られることが分かった。シオジについては、6個体からなる小集団が昨年度に引き続き種子を得ることができなかった。シオジについては現在発芽実験中である。 イチイガシについては、発芽個体のうち全54個体の芽生えと、親を特定するため種子の内果皮からDNAを抽出し、核SSRマーカー13座で解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
発芽後の実生を用いて交配実態を明らかにするために、核SSRマーカーを用いた解析を行う必要がある。しかし内果皮から抽出したDNAの解析に困難があり実験条件を検討中である。そのため、交配実態のデータ取得に遅れが出ている。
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今後の研究の推進方策 |
シオジにの小集団については、来年度も再度、開花期にドローンを用いて雌雄判定を試みることとする。対象は、栃木県のシオジ2集団にて行う。 また今年度に引き続き、イチイガシ、シオジの小集団における種子の採集、発芽実験、遺伝分析を行い、経年的な交配実態を明らかにする。イチイガシについては6集団、シオジについては、4集団を対象とする。 さらに、イチイガシについては、小集団でも発芽個体が十分に得られることから、発芽率のみならず、その後の実生の生長に小集団であることの影響があるか否か、を明らかにするために、発芽後も栽培を続け、成長データを取得する。
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次年度使用額が生じた理由 |
核SSRマーカーを用いた内果皮のジェノタイピングの条件が整わないため、遺伝分析が予定よりも遅れているため。次年度使用額は、主に遺伝解析の試薬等消耗品に使用する。
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