研究課題/領域番号 |
16K07779
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
鈴木 保志 高知大学, 教育研究部自然科学系農学部門, 准教授 (20216451)
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研究分担者 |
吉村 哲彦 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (40252499)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 架線 / 集材 / 索張り方式 / 軽架線 / 力学モデル / 生産性 / 林内作業車 |
研究実績の概要 |
索張り方式については国内外の軽架線、タワーヤーダ、スイングヤーダの方式を比較し、作業性と生産性の向上に必要な条件を整理した。 力学モデルについては、昨年度に作成した簡易モデルを発展させ、搬器位置に対する実際の荷掛け位置の相対座標に対して搬器質量や主索張力といった条件から、搬器の係留力を示すものに改良した。今回の改良により、研究成果を現場技術者に理解させることが容易になり、成果の普及を促進できるものになった。 力学モデルの検証については、スイングヤーダを用いて2倍力方式の軽架線を架設し実作業を行う実験を、島根県と高知県においてそれぞれ実施した。島根県の実験では架空索張力を計測し、搬器位置と係留状況はビデオにて計測し、架空索張力の変動と搬器の係留状況を確認した。高知県における実験では架空索に加えて主索の張力も計測し、異なる荷掛け位置における主索張力と架空索張力の関係を検証することができた。当初予定していた林内作業車を用いるものでなくスイングヤーダを用いるより規模が大きいものとなったが、索張り方法としては同一であり、張力がより大きくなったことで結果の一般性確保に役立つものとなった。 成果公表については、軽架線に多く使用されるようになってきた林業用高強度繊維ロープの損傷と強度について成果論文を公表した。国際学会を主催し、本研究の成果論文3報を含むプロシーディングスを発行し、IUFRO(国際森林研究機関連合)の電子アーカイブに登録した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
索張り方法の分類については継続中である。力学モデルについては今回の改良により、研究成果を現場技術者に理解させることが容易になり、成果の普及を促進できるものになったと考える。力学モデルの検証については、当初予定していた林内作業車を用いるものでなくスイングヤーダを用いるより規模が大きいものとなったが、索張り方法としては同一であり、張力がより大きくなったことで結果の一般性確保に役立つものとなった。 このように当初計画に比べて進展が遅れている部分もあるが、当初予定よりも進展した部部分もあるため、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
索張り方法の分類については、軽架線以外の通常の架線ともあわせて再度検討を進める。 力学モデルの検証については、張力計測数のより多い架線シミュレータを、研究協力機関の高知県立森林技術センターのものを使用できることになったため、横取り角度や搬器高さの設定など詳細に条件を定めて実験を行う。 ウインチ能力向上と係留機構導入の場合について、生産性および経費のシミュレーションを、これまでの成果に基づき、計画通り実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
力学モデル検証に必要であった軽架線用搬器や関連用具は、研究協力者である島根県および高知県の森林組合からの無償貸与により購入せずに済んだなどのことから、次年度使用額が生じた。 H30年度以降、貸与等により必要がなくなった物品費を、このことを活かし力学モデル検証実験の精度をより高くするために使用することで調整する。
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