研究実績の概要 |
経費的制限と物理的制限を考慮して軽架線が備えるべき規格の提示については、実機による試験結果とあわせて成果をまとめ、論文としての投稿を準備中である。また、軽架線方式も含め集材システムを適用するための投資(基盤整備と作業システムに要する経費)が妥当なものかどうかを判断するための新たな手法を提案し(論文:鈴木・吉村2019, 発表: Suzuki and Yoshimura 2019b)、こうした集材システムを用いての広葉樹林も含めた森林経営計画の長期採算性について考察し肯定的な結果を得た(論文:Suzuki and Yoshimura 2019, 発表: Suzuki and Yoshimura 2019a)。 力学モデルについては、簡易な模型によりスイングヤーダに用いられる索張り方式ともあわせて基本的な挙動について確認する実験によって得られた、主索の駆動力と搬器の係留力に関する基本的ではあるが新たな知見について、この方式を用いた場合の作業者の労働負担の調査結果とともに論文として投稿を準備中である。また、屋内に設けられた、支間距離10mで索や支柱各部に働く力を連続的に計測できる架線シミュレーターを用いての、より実機に近い条件で力学モデルの精度を検証する実験についても、得られた結果を論文として投稿する準備を進めている。 その他に得られた成果として、より簡易な架線系システムとして、ポータブルウィンチによる簡易集材法を竹林整備に適用した実証実験においてその効果と労度負荷を検証した(発表:吉村ら2020)。また、架線系システムによる残存木損傷の経過を調査し影響の軽減策を検討した(論文: 竹嶋ら 2019, 発表:竹嶋ら2019)。
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